貪欲なメンタルで鹿島を引っ張ったエース・鈴木優磨への思いを綴る

安西・安部の海外移籍に続き、鈴木優磨のシント・トロイデン移籍が公式に発表された。

私は何とも言えない気持ちが続いている。しかしリリースから1日経って、ある程度気持ちを整理したのでこのブログを書いている。

予め断っておくが、このブログは特に何か気付きを与えられるようなものにはならないと思う。私の、優磨への気持ちを、今の気持ちをただ記録しておきたい。そういう内容になる。

移籍について

まず初めに、優磨には感謝の気持ちがある。

報道によれば優磨は昨夏、欧州からのオファーが届いていたという。しかし鹿島でのACL制覇のため、タイトル獲得のため、鹿島に残留してくれた。そして鹿島はACLを制し、優磨はACLのMVPに選出された。

優磨は本当に鹿島にタイトルをもたらしてくれたのだ。2018年、実に52試合もの試合に出場し、過密日程の鹿島を先頭に立って引っ張ってくれた。

2018年の優磨について書いた記事はこちら↓

走り続けた鈴木優磨の2018年シーズン【試合数・得点数】

しかしその代償は大きく、天皇杯の準決勝で負った怪我により長期離脱を余儀なくされ、彼の再びの悲願であったクラブワールドカップへの出場は叶わなかった。

昨夏の移籍を選ばず、鹿島念願のACL制覇に大きく貢献してくれた優磨には感謝の気持ちが大きい。

彼自身、欧州移籍も是が非でも実現したい夢だったはずだ。

欧州移籍と鹿島でのタイトル。それを天秤にかけてなお、「鹿島でのタイトル」を選んでくれた2018年。

その事を私は忘れない。

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優磨のトップチーム昇格と最大の武器

ここからは少し昔話。

私はユース時代の優磨を見てこう思った(誰かに話したわけではなく、心の中でそう思った)。

「彼はトップチームに昇格しても難しいかもな」

これは今となっては本当に失礼な話だが、姿勢や足元の技術、走り方などを見て、トップチームでは難しいと思っていた。

しかし優磨は私のくだらない予想を裏切るプレーを見せてくれた。

トップチームデビュー後~2016年当時の優磨は、口々に「ギラギラしている」という言葉を使用して表現された。

私が感じた印象も、まさしくその通り。

確かに技術的にはまだまだの選手だった。それでも、FWにとって1番必要な心持ちを優磨は持っていた。

「俺によこせ!」という意思表示。「絶対に勝つ」という勝利への執着。「相手CBには絶対負けない」という負けん気。

優磨の武器はシンプルだった。フィジカルでもヘディングでもなく、その貪欲なメンタルだ。

この貪欲なメンタルこそが、優磨が立ち返るべき原点だと私は思う。

金崎夢生からの好影響

その貪欲なメンタルを持った優磨は、金崎から良い影響を受けていた。

金崎は当時の鹿島に足りなかった、「戦う姿勢」を最も表現出来る選手だった。

「戦う姿勢」を持っているだけではない。「表現できる」ということが重要だ。金崎のプレーは、見ている人に熱い気持ちを伝える事が出来るのだ。

金崎の「表現できる」という所から、優磨は非常に影響を受けていたと思う。

優磨も金崎のように、自分の熱い気持ちをピッチの上で表現してくれた。

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狡猾でクレバー

優磨の良い所は、気持ちが強くて、それをピッチで表現出来るだけではない。

実は非常にクレバーで狡猾で、サッカーを知っている選手だった。

相手のDFを誘導するようなチェイスや、相手が気を抜く瞬間を狙ったプレー。前年の自分の弱点を見直して改善しようとする姿勢。

ピッチの中では前のめりにプレーしているように見えて、非常に客観的で冷静な目を持っている選手でもあった(これが金崎との違いでもある)。

優磨はそのクレバーさから徐々にプレースタイルを広げ、デビュー当時の「ゴール前に飛び込む」というプレースタイルから大きな変貌を遂げた。

2018年時点で、優磨とのアイソレーション(1対1)を止められるDFはアジアにも国内にも見当たらなかったほどだ(唯一優磨を止められそうだったのは、チームメイトの昌子くらいだったと思う)。

これからも、そのクレバーさは非常に大切になる。貪欲なメンタルとクレバーさ、その両方をこれからも求めていってほしい。

鹿島は優磨のホーム

優磨は鹿島一筋の選手で、これからは人生初の「鹿島以外のクラブ」になる。おまけに海外だ。

私は安西や安部より、優磨を1番心配している(笑)。

心配しているが、「簡単に帰ってくるな」とも思っている。ベルギーで得点王、なんてものじゃ足りない。プレミアあたりで得点王を奪って、タイトルを山ほど抱えて帰ってきてほしい。

私は2018年、チームのために走り続けた鈴木優磨の姿を絶対に忘れない。彼がまた「鹿島に帰りたい」と思ってくれるようなクラブであり続けるために、今週も来週も、来年も再来年も、変わらず鹿島を応援していたい。

鹿島は優磨のホームなんだから。

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