鹿島アントラーズサポーターなら一度足を運んでほしい東京のお店「酒場食堂とんてき」

今回は、中野坂上にある「酒場食堂とんてき」の店主、MeguさんとNaoさんにお店の事について伺った。

このお店、東京では貴重な「鹿島アントラーズサポーターとFC岐阜のサポーター」が集まるお店。私(ロニー)の大好きなお店でもある。この記事ではそんなお店をブログの読者に紹介したく、お二人に話を伺ったインタビューを掲載する。

東京在住の鹿島サポーターや、茨城から東京に来る鹿島サポーターやFC岐阜サポーターの方などは、この記事を読んでぜひお店に足を運んでみてほしい。

鹿島アントラーズサポーターが集まるお店

-このとんてき酒場を始める事になった経緯を聞かせてください。

Megu:もともとフットサル選手だったんだけど、引退する時に何をしようかと考えた時、自分のお店(小料理屋)を50歳か60歳でやりたいと思ってた。でもNaoくんが「小料理屋もいつかやればいいけど、今やれる形もあるんじゃない?」と言ってくれて。私自身、東京に出てきてから色んな人に助けられてきたから、「人と人が繋がる場所を作れたらな」という思いがあって。それでやろうと思って店探しを始めました。

▼店主のMeguさん

-一番始めのお店はどこの場所から?

Megu:日本橋の小伝馬町。古民家で、良い雰囲気のお店でした。

-その頃から鹿島サポーターやサッカー好きは集まるお店だったんですか?

Megu:その頃はオフィス街だから、代表戦にすごく人が集まった。想像以上に「みんなサッカーに興味あるんだな」と思った。予約も入るし、席が埋まって立ち飲みみたいな時もあったし。もともとサッカー関連の知り合いの人達も多かったから、お店をサッカーを見られる環境や雰囲気にしていた。

-日本橋からとんてきを提供するお店だったんですか?

Megu:うん、基本ベースは一緒。とんてきやハンバーグなど。

-その後のお店は?

Megu:その後は西荻窪。一回オフィス街でやったから、次は地元飲みする地域でやってみようと。全然違う環境でやってみた方が、新しい発見や出会いもあるかなと。

-その後に中野坂上?

Megu:そう。もともと中野坂上には一度住んでいた事があって、最終的にはこの辺に戻ってきたいなと思ってた。

-鹿島サポーターが集まるようになったのは、どのタイミングから?

Nao:SNSや発信の仕方は今まで変えてなかったんだけど、中野坂上から鹿島サポーターが来てくれるようになった。それまでは日本代表関係で人が集まる事が多かったと思う。でも日本橋や西荻窪の時から鹿島の選手や元選手が知り合いを通じて来てくれる事はあった。

-なんで中野坂上から鹿島サポーターが来るようになったんでしょう?

Nao:サッカーって19時から試合が多いんだけど、西荻窪は「帰ってくる地域」だから、22時とか23時から人が増えるわけ。でもここは新宿から近いっていうのもあって。

-なるほど、中野坂上ならみんな試合時間に間に合うんだ。

Nao:逆に日本橋は平日の夜が盛況だった。代表戦は水曜とかが多いから、だから代表戦の時にお客さんの入りがすごく良かった。

Megu:3箇所でお店やってるからこそ分かったことだよね。場所によって全然違うからね。

-鹿島アントラーズサポーターに向けての集客は頑張った?

Nao:お店にずっと私物(アントラーズのグッズなど)を飾って、自分たちが見たいからアントラーズの試合をつけて、「良かったら皆さんもどうぞ」っていうスタンスだからね(笑)。

Megu:そうそう、「自分たちが見たいから」っていうのは、中野坂上来る前からのベース。

Nao:でも日本橋の時はJリーグの熱はあまり感じなかったよね。やっぱり代表戦だったから、中野坂上に来てから鹿島サポーターは増えたと思う。

-アントラーズサポーターと一口に言っても、どういう客層の方が多いですか?

Nao:最初は特にいろんな人がいた。「凄い好きな人」や「騒ぎたいだけの人」、「見られればどこでもいい人」、「サッカーとして鹿島アントラーズが好きな人」、「選手きっかけで好きになった人」も。いろんな人がいた。でもうちの店は、どっちかって言うと「騒ぎたいだけの人」には向かないかなぁ。

Megu:そういうタイプの人は来なくなったりするよね。ゆっくり鹿島の試合見ながら、鹿島の話をしたりとかっていうタイプの人が多いのかな。

Nao:もちろん点入った時とかは「おぉー!!」ってなるけど。

-私がこの記事を読んでくれてる人に強く薦めたいのは、とんてき酒場さんはご飯が美味しいんですよ。サッカー流してるお店ってフライドポテトとかフィッシュ・アンド・チップスみたいなのが多いんだけど、このお店は美味しいとんてき食べられるから。あんまり無いんですよ、こういうお店。

Megu:それを言ってもらえる事は多いね。「同じお金払うなら」ってね(笑)。

-そうそう。ポテトばっかりではお腹膨れないし(笑)。

▼お店イチオシのとんてき(900円)

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鹿島アントラーズを好きになったきっかけ

-お二人が鹿島アントラーズを好きになったきっかけを教えてください。

Megu:元々、Jリーグ始まる前に住金の特集をTVでやってたのをNaoくんが見て、そこから鹿島アントラーズを応援し始めて。1991年くらい?

Nao:TV見て、「弱小チームが夢に挑む」みたいな、そういう番組だった。

-鹿島がプロリーグ参加に向けて頑張って動いてる時ですね。

Nao:そう。「プロリーグが出来るっぽい、そこに向けてみんなで頑張ってるっぽい」とか、そんなのが始まりだった。それを追いかけた先が鹿島アントラーズだった。

しかも俺はブラジルが好きだったから。小学校の時、岐阜の地元にブラジル人が多かった。肉屋が多くて、そこにブラジル人がたくさん働きに来ていた。そこでブラジル人の人たちと仲良くなったり、一緒にボールを蹴る環境があった。そして住金を追いかけた先の鹿島アントラーズもブラジルカラーで。しかもフットサルもブラジル人がメインだったから。ブラジル人のスタイル、DFの仕方や攻撃の仕方が鹿島アントラーズに通ずるものがあって、自分のルーツとフットサル、そして鹿島が繋がった感じ。

Megu:私はNaoくんが鹿島アントラーズの試合を見てたのも勿論あるけど、あとは鹿島アントラーズの試合運びが、自分の理想に近かったっていうのもあるかな。

Nao:1対1の個の力があって、その上で瞬間的にチームとして機能して、最後は個で決めるとかね。

-サッカースタイル的にもハマったんですね。

FC岐阜サポも集まるお店

-FC岐阜のグッズも多いですが、どんなきっかけ?

Megu:もともと、今と同じ赤味噌ベースの岐阜の料理を出してて、東京に「岐阜県出身の人がやってる店」って珍しいから、それをFC岐阜サポーターの方が見つけて来てくれた。

-オープン当初からFC岐阜のグッズを置いていたわけではない?

Megu:そう。この店にあるFC岐阜のグッズは、全部FC岐阜のサポーターの人が持ってきてくれたの。うちらは鹿島がベースなのを知ってるから「邪魔にならないようにで良いんで、飾ってもらえませんか?」って。

-全部!?すごい!しかも謙虚……(笑)。

Megu:そう、岐阜から東京に出張の時に寄ってくれる岐阜サポのお客さんとか多いです。

-東京にあんまり岐阜の料理を出すお店って無いんですか?

Megu:岐阜出身の方がやられてるお店はあると思うんだけど、「サッカーの話が出来る」というお店は無い!普通の飲食店が多い。だから来てくれるんだと思う。

-そこの掛け合わせがポイントなんですね。岐阜とサッカー。実は茨城出身の方+鹿島の話が出来るという掛け合わせのお店もそんなに多くないと思うんですよね。

Megu:それよく聞くよね。

-あとはSNSをやってなかったりするのかもしれないですね。私が発見出来てない。

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人と人を繋げる場所

とんてき酒場さんのようなお店をやりたい方もいると思うんですが、お店は楽しいですか?

Megu:うん、楽しい。サッカーやフットサルの話が出来るし、それにこのお店で色んな人が色んな出会いをしてくれるの。別にサッカー好きじゃない人ももちろん来るんだけど、ここで出会った事によって、人付き合いが派生していく事があるから。

-それは私もすごく感じます。Meguさんが、上手くお客さん同士を繋げてくれるというか。

Megu:カウンター席しか無いから、1人のお客さんが多くて。そのお客さん1人1人と個々に接するよりも、繋げてあげて喋ってくれた方が私も嬉しいし。

-あと私がこのお店で感じる事なんですが、案内する時に「席の采配」してますか?「この人はこの人の隣が良いかな」みたいな。

Megu:一応してる。采配してるけど、たま~に「間違えたー!」って時がある(笑)。采配ミス。

-ハハハ(笑)。やっぱりそうなんだ。いやー、でも私が来る時はいつも素敵な采配してくれてます。

Nao:やっぱりね、1人1人のお客さんの、言葉じゃなくて心にいかに耳を傾けられるかの積み重ねが大事だと思う。「いや、会話とかいいんで」って口では言う人も、本当は喋りたいかもしれない。そういう人に対してどんなアクションを起こしてあげられるかっていうのが、我々が一番最初にやること。逆に、我々の人生でも心の声を聞いてくれてアドバイスくれた人がいたから。だから同じことをやりたい。

Megu:東京に来てから余計にね。助けられてきたから。

Nao:そう、だから恩返し。

-このとんてき酒場で助けられた人が、またどこかで誰かを助けられたら素敵ですよね。

Nao:そういう連鎖が起こせるきっかけになれればね。

-そういえばバスツアーの事も少しだけ。とんてき酒場さんの企画で、中野坂上からカシマスタジアムへのバスツアーをやったんですよね。2019年8月の横浜Fマリノス戦。荒野バスに協力いただいて。私も参加させていただいたんですが、あれ楽しかったですよね。スタジアム着いたら石井正忠前監督がサプライズで出迎えてくれて(笑)。

Megu:そうそう、サプライズでね(笑)。本当はバスがスタジアムに着く時に石井さんが既に到着してる予定だったんだけど、石井さんが「急いで行きますけど、ちょっと遅れます!」って。

-ハハハ(笑)。いやー、あれはみんな喜んでましたよ。ちなみに今後も開催される可能性は?

Megu:今後もあります!

-お店に来ていただけると、きっとそういう素敵な企画の情報もまたGET出来ると思うので、ぜひ来てほしいですね。

Megu:あとは1人でスタジアムで応援してる女の子が多いから、そういう子がこのお店きっかけで知り合いにでもなってくれたらね。Emiちゃん(とんてき酒場の店員さん)も元々そうだったもんね。仲良くなってみんなでスタジアム行って、みたいなね。

Nao:Emiちゃんなんかは、三竿健斗にハマって鹿島アントラーズ応援しますとなって。サッカーなんか全然分かんないんだけど、でも「ゴールに繋がったのはどこがポイントだったのか」みたいな所も、他の人から教えて貰える。そうなるとサッカー自体の楽しみ方も増えるし。

-素敵な事ですよね。もちろん1人で見るのも楽しいんだけど、別の見方も共有出来るという。

Nao:あとはサッカーに興味ない女の子が、うちの店に来てどっぷり鹿島アントラーズにハマるっていう事もあったからね。今はアウェイ大阪まで日帰りで行っちゃってるもん。

-いやーそれは凄い。

Megu:その子が初めてサッカー観に行ったのが、アウェイのFC東京戦(前半で3点取られた試合)だったんだけど、そんな試合からどっぷりハマっちゃって。

Nao:その後ホームにも行きたいとか、いつの間にかアウェイ埼スタに1人で行くようになったりとか。

-鹿島としてもそういう子を増やしていかないとね。

店主Meguさん

-次に、Meguさんの経歴を教えていただけますか?

Megu:小学校~中学校までサッカーをやっていて、高校で清水SCの女子チームに入ったの。監督の家に下宿してた。

-大船渡高校時代の小笠原満男みたい(笑)。

Megu:でも怪我してしまって。下宿先からは出ないといけなくなってしまって、岐阜に戻った。そして結婚して離婚して、いろいろあった後、20代後半からもう一度プレイヤーとしてサッカーをしようと思った。

-へぇ!かなりブランクが空いてますね!

Megu:結構ある!14年?かな。ブランクはかなり空いた。そして草サッカーやりだして、その後フットサルを本格的にやり、チームを作りました。女の子のチームって、「○○君のお母さん」とか「○○の奥さん」って呼ばれる事が多いんだけど、それは違うなと思って。ちゃんとそれぞれが選手として「○○さん」って個人名を呼ばれるようにして。ちゃんとその女の子個人の価値が出るから。

-なるほど。そのフットサルチームは岐阜でやってた?

Megu:うんずっと岐阜で。

-結構メンバー集めるの大変だったりしました?

Megu:最初だけ苦労したけど、Naoくんに言われたのが「1人来たらダダダっと来るよ」と言われて、実際何人か来た後は結構集まった。その時はサッカーの延長線上のミニサッカーみたいな感じでプレーしてたんだけど、その後、フットサルの女子チームの全国大会を名古屋にまで見に行ったのね。そしたらレベルが全然違くて。

そこからフットサルを真剣に勉強し始めて、のめり込んでいった。色んな試合観に行って。でも初めてフットサルやるメンバーもいて、私は引っ張っていかないといけないから、かなり追い込んでプレーした。

-自分自身もそこまで長いキャリアではない中で、引っ張っていかないといけなかった?

Megu:そうそうそう。

-そこから、いつ東京に来るんですか?

Megu:最後、自分の年齢も考えて「やり切る」って考えた時に、当時日本一のチームがあって、その子たちとも仲良かったんだけど、「そのチームを倒したい」って思った。

-その日本一のチームは東京にあった?

Megu:そう。そして私の好きなスタイルのチームも、日本一のチームとは別に東京にあった。そこに入ろうと思って東京に出てきたんだけど、チームが解散してしまったの。

それで、元々岐阜にいる時から芸能人のフットサルリーグ(芸能人女子フットサル)に加入している太田プロのチームと知り合いで、そこから声がかかった。そこに「とりあえず1年だけ」という事で加入したのね。

-芸能人のフットサルリーグって、ハロプロとかが参加してたフットサルリーグですよね?

Megu:うん、そうそう。その後、関東リーグのチームなど行ったけど、自分の思いとチームの方向性が違かった。そんな中で年齢も年齢なので、最後に「倒したい」と思ってたチームを受けてみようと思って、受けてみた。

-結果は?

Megu:「年齢的に、若かったら(OKだった)」と言われた。でも、自分の中で、自分自身のプレーは理解してもらえたし納得した部分があった。そこで「(プレイヤーは)もういいかな」って。次は「フットサルを広める」じゃないけど、そういう活動にシフトチェンジするのもいいのかなと思って。

-じゃあ、プレイヤーとしての最後はそのセレクション?

Megu:うん、そう。それで今は、フットサル元代表の相根澄っていう人がやってるフットサルの普及プロジェクトも手伝ったりしてます。

酒場食堂とんてきのイチオシ料理

-最後に、イチオシ料理を。

Megu:とんてきです!!!

▼とんてき定食(1100円)

-美味しいですよね。私、先週も頂きました。こちらのお店のとんてきのこだわりってありますか?

Nao:「米を美味しく食べられる」っていう所と、あとは赤味噌。赤味噌の概念を変えたかった。東京の人、ただ辛いだけっていうイメージを持ってたりするけど。

-分かります。私も赤味噌を食べて育ってないので、「赤味噌ってこんなにご飯に合うんだ」っていう驚きがありました。

Megu:そう、赤味噌って美味しく食べられるんだよ!って伝えたかった。

Nao:とんてき定食しか食べないお客さんもいるもんね。

Megu:うん。鹿島の試合の時に、とんてき定食しか食べなくて、必ずご飯おかわりして2杯目はとんてきのタレをご飯にかけて食べてるお客さんとか。

-わかるなぁ!私もおかわりします。2杯目はタレで。という感じで、おすすめのとんてきをしっかりご紹介出来たところで、今回はここまで!

これを読んでくださったみなさん、ぜひとんてきを食べに、お酒を飲みに、鹿島の事を喋りに、お店に行ってみてください!素敵な店員さんがお待ちしてます!byロニー

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