ブエノ無双と興梠に惑わされた後半【2019年ルヴァンカップ準々決勝浦和レッズ戦1stLegマッチレビュー】

2019年ルヴァンカップ準々決勝1stLeg、浦和レッズVS鹿島アントラーズ。マッチレビュー。

試合結果

3-2

【得点】

35分 ブエノ

38分 土居 聖真

43分 名古 新太郎

58分 興梠 慎三

60分 槙野 智章

スタメン

鹿島のスターティングメンバーは以下の通り。

GK クォン スンテ

DF 小泉慶 チョン・スンヒョン ブエノ 小池裕太

MF レオ・シルバ 永木亮太 名古新太郎 白崎凌兵

FW 土居聖真 伊藤翔

ハイライト

見どころ

4冠制覇に向けて、いよいよ1つのゲームも落とせないシーズンがやってきた。

ルヴァンカップで浦和と連戦、FC東京、ACL広州戦の2ndLeg、その後には天皇杯横浜Fマリノス戦と、強豪との試合が続く。

全ての試合を固定メンバーで戦うのは難しい。鹿島アントラーズの選手全員の力を総動員して、1つの1つのゲームで懸命に勝利を目指す姿勢が求められる。このルヴァンカップも例外ではない。

ルヴァンカップ浦和レッズとの第1戦では、ここまでのリーグ戦とACLで連戦を戦った三竿とセルジーニョの両名がベンチスタートとなった。

この2名は鹿島の生命線とも言える活躍を見せてきた選手だ。それだけに、彼ら2名が先発ではないこの試合で結果を出せれば、これからの連戦にも自信がつく。

チーム一丸となって勝利を掴み取りたい。

試合レビュー

ポジション

▼鹿島を赤紺、浦和を白で表現

鹿島は4-4-2、浦和は3-4-2-1という基本ポジションだった。

浦和のズレを生んだ白崎のポジショニング

このゲームの前半、浦和のポジションにズレが生まれた。鹿島は浦和のポジションのズレを活用することが出来た。

鹿島が上手く侵攻出来たのは特に浦和の右サイド。WB・宇賀神、右CB・マウリシオ、そしてボランチの柴戸の守備の連携だ。

イメージとして以下の図を見ていただきたい。

  1. 鹿島の小池に対して、宇賀神が前に出て対応しようとする
  2. 宇賀神が出たスペースに白崎が動く
  3. 白崎の動きに対して、浦和の柴戸が付いていく
  4. 柴戸がいなくなった中盤のスペースにレオが侵攻。起点を作る。

この順序だ。

浦和はサイドの守備の連携が上手くいかず、鹿島は白崎を中心にその”ズレ”を突くことが出来た。

柴戸が抜けたスペースを、他の誰か(例えばマウリシオや武藤)が埋めるような動きをするならば浦和の守備のズレは埋められたはずだが、前半の浦和はズレがズレのままだった。鹿島はその点を見逃す事なく効率的に攻撃を仕掛ける事に成功した。

焦る浦和と逆を取る鹿島

浦和の守備の”ズレ”を中心に、鹿島は試合を優位に運び、得点も奪った。

前述の通り、浦和は白崎へのマークを柴戸が担当する場面が多かったものの、それがハマらない場面が多かった。浦和はその状況を良くないと感じ、鹿島が先制した後は白崎に対してマウリシオが前に出てプレッシャーをかけるやり方にシフトした。

それが更に裏目に出る。そこでも相手の逆を取ったのが白崎。

白崎は、前に出てくるマウリシオのパワーを逆に利用した身体の入れ方でボールをキープし、マウリシオと入れ替わる場面を何度も作った。

CBの一角であるマウリシオと白崎が入れ替わると、浦和の守備のバランスが大きく崩れるのは明白だ。

鹿島の2点目は、浦和の焦りを逆手に取った鹿島が、狡猾に奪った得点だった。

2点目の後もバランス悪くプレスに来る浦和に対して、レオや名古、土居や白崎を中心に上手くパスで相手を外していき、ゲームを決定づける3点目を奪うに至った。

ブエノ無双の前半

鹿島の前半は、ブエノの圧巻のパフォーマンスにも支えられた。

ブエノは主に、ワントップであるファブリシオに付く役割を与えられていた。しかしブエノのパフォーマンスは、ファブリシオを抑えるだけに留まらなかった。

スンヒョンや小池が相手に入れ替わられたシーンでは圧倒的なスピードでカバーに周り、ロングボールにも負けない。ブエノは高さでも強さでもスピードでも相手を圧倒した。

たった1人でピッチの横幅を守れてしまうのではないかというほどの運動能力は、Jリーグではお目にかかれないレベルだった。

更に貴重な1点目を奪い、「今日はブエノがいるからイケる」と思ってしまったほどの前半のパフォーマンスだった。

興梠の動きに惑わされるスンヒョン

しかし、後半はうってかわって浦和レッズのペースとなる。

前半と後半で最も大きな変化をもたらしたのは興梠だった。

後半に登場した興梠は、スンヒョンとマッチアップする位置に入ることが多く、鹿島はそこから浦和の攻撃を何度も許してしまった。

具体的には

  1. トップの位置から中盤の中間ポジションに落ちてボールを受けようとする興梠
  2. その興梠に付いていき潰そうとするスンヒョン
  3. スンヒョンが不在になったスペースに違う選手がランニングして起点を作り、興梠もゴール前へ
  4. スンヒョンより興梠の方がスプリントが速いので興梠がゴール前でフリーになる

このようなメカニズムだ。

スンヒョンは興梠を他の選手に任せてDFラインに留まるか、あるいはスンヒョンが出ていったならばボランチがCBのポジションを埋める動きが必要だった。

しかし鹿島の両ボランチはスンヒョンのポジションを埋める事はなく、スンヒョンもFWに付いていってしまうプレーを続けてしまった。ブエノもスンヒョンをコーチングで制御する事が出来なかった。

これらの守備については、鹿島としては第2戦に向けた大きな改善点だ。

スンヒョンの裏を埋める采配

一方、大岩監督は良いゲームマネジメントを見せてくれた。

選手間で、スンヒョンが前に出た時の裏のスペースのカバーについて修正が効いていないとみるや、大岩監督は三竿を投入した。

永木が気付けなかった「CBが飛び出た後のスペース」について、三竿は見事に埋める動きを見せた。三竿の投入以降、「CBが飛び出た後のスペース」を使われるようなシーンは無くなった。

更に大岩監督は87分に犬飼も投入し5バックとすることで、ゴール前に生まれていたスペースを完全に消し去り、ゲームをクローズさせた。

後半2点取られた事については反省するべきではあるが、後半の勝ち切る采配、ゲームマネジメントについては素晴らしかった事を記憶しておきたい。

MVP

ブエノ!

先制点から前半の守備、対人の勝率。2失点したとはいえ、圧巻のパフォーマンスだった。

第2戦も期待したい。

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