鹿島を照らす小池の左足がもたらしたJ1通算500勝【2019年第18節ジュビロ磐田戦マッチレビュー】

2019年Jリーグ第18節、鹿島アントラーズVSジュビロ磐田。マッチレビュー。

試合結果

2-0

【得点】

29分 OWN GOAL

40分 小池 裕太

スタメン

鹿島のスターティングメンバーは以下の通り。

GK クォン・スンテ

DF 永木亮太 町田浩樹 犬飼智也 小池裕太

MF 三竿健斗 レオ・シルバ レアンドロ 白崎凌兵

FW 土居聖真 セルジーニョ

ハイライト

見どころ

このゲームの見どころは、後半戦のスタートをきっちり勝利で飾れるか。

相手のジュビロ磐田は前節に名波監督が辞任しており、鈴木秀人新監督の初陣となる。

大岩アントラーズは一度も名波ジュビロから勝利を挙げることが出来なかったのは心残りではあるが、久しぶりにジュビロから勝利を挙げる一戦としたい。

また、ここ2試合で躍動している小池裕太が高パフォーマンスを続けられるかどうかも見どころだ。この試合の時点で移籍が噂されていた安部や安西の事を考えても、彼ら若い選手の躍動は今年優勝のためにはマストである。

試合レビュー

早速試合を振り返っていこう。

フォーメーション

まず、両チームのフォーメーションを確認しておこう。

▼鹿島を赤黒、ジュビロを白で表現

鹿島は4-4-2、ジュビロは3-4-2-1で試合に入った。ジュビロは後半からアダイウトンをTOPに入れ、3-4-1-2(3-5-2)に変更した。

磐田の攻撃のメカニズム

まずはこのゲームでボールを保持したジュビロの攻撃のメカニズムを確認しよう。

ビルドアップでは中山やロドリゲス目がけてロングボールを多用

前半のジュビロの攻撃はワントップの中山や、シャドーのロドリゲス目がけたロングボールを多用した。鹿島としては、町田や犬飼が競り合いに競り勝ち、三竿がセカンドを回収することでこの攻撃から決定機を作らせる事は無かった。

山田がボールサイドに寄ってゲームメイク

この日のジュビロの攻撃の中心は山田大記だった山田は右側のシャドーに入っていたものの、基本的には右にも左にも、常にボールサイドへ寄ることで数的優位を作ろうとしていた。

ジュビロがオフェンシブサードからクロスまで持っていけた場面のほとんどに山田が絡んでいた。

サイドからはシンプルにクロス

前半のジュビロは、「ボールサイドに山田が流れる」という動きでサイドに数的優位を作り、サイドからはシンプルにクロスを上げた。

中央の中山の対人の空中戦とロドリゲスの対人の強さでスクランブルを起こすような狙いがあったのだろう。

磐田の攻撃のパターンは、上記の流れに加えてロドリゲスの個人技が加わった内容がメインだった。

ブロックを崩されない鹿島

磐田の攻撃パターンに対して、鹿島はDFラインと中盤で4-4のブロックを敷いて守った。守備はある程度機能しており、磐田にこれといった決定機は作らせなかった。

そのポイントを確認しよう。

中山に負けなかった町田

まずはこれが大きい。町田はジュビロが攻撃の終着点にしようとしていた中山に空中戦で負けず、攻撃を耐えしのいだ。

町田は常に圧勝出来たわけではないが、磐田のゲームプランに対して十分な抵抗を見せることは出来た。

ジュビロは中の人数が少ない

町田の奮闘に加え、ジュビロはサイドからシンプルにクロスを入れてくる割に、クロスに入っていく攻撃の人数が不足していた。

山田がボールサイドに寄り、ロドリゲスもボールを欲しがるため、中山一人でクロスを待つという場面も多かった。

(特に前半は)鹿島にとっては「クロスをあげさせてもOK」という状況が多かったと言える。比較的守りやすい状況が多かった。

ブロックをコントロールした犬飼

4-4のブロックをきっちりコントロールしていた犬飼の統率も褒められるべきだろう。

磐田はシャドーの選手が斜めに動き、鹿島SBの裏を狙うような動きもしたが、ボランチとCBが上手く連携することで水漏れを作ることは無かった。

安定感のあるクォン・スンテ

両CBの奮戦に加えて、スンテのセービングもゲームを通して非常に安定していた。

ロドリゲスのパワーのこもったミドルシュートを受けて、スンテは嬉しそうにさえ見えた。久しぶりにパワフルなシュートを受けることで、気持ちが乗ってきたのだろうと思う。

無失点に大きく貢献した両CBとスンテのプレーは、称賛されて然るべきだろう。

パスを誘導する白崎の立ち位置

鹿島が上手く守れていたもう一つの要因について触れておこう。

白崎の守備時の立ち位置の良さだ。

このゲームに限ったことではないが、彼は本当に守備が上手い。

具体的に説明しよう。

高橋のパスは白崎にコントロールされていた

ジュビロの右CBである高橋がビルドアップでボールを持った時、白崎の立ち位置が絶妙なのだ。

↓例えばこんなシーン

ジュビロの高橋がボールを持った時、白崎はジュビロの右WBへのコースを消すような立ち位置を取ることが多かった。

すると、高橋にはSTである山田へのパスコースが見える。

そこには町田や三竿が目を光らせているので、彼らへのパスは鹿島の想定内。パスの出し先で、厳しいプレスをかけることが出来る。

ボールは相手に保持されているが、鹿島のピンチではなくチャンスになる誘導の仕方だ。

このシーンで重要な事は、白崎は「自分より後ろの選手の状態を見ながら立ち位置を変えている」という事だ。

町田や三竿がジュビロの山田に目を光らせていない時は、山田のパスコースを切ってジュビロの右WB・小川へボールを誘導するシーンもある。

その時は必ず小池にも連動させて、小川にプレスがかかるように仕向ける。

白崎の守備のインテリジェンスのおかげで、小池は小川と「常に有利な状態」で相対すことが出来た。

鹿島の左サイドがほとんど崩れなかったのは、小池の守備というよりは白崎の守備の貢献によって担保されている部分が大きかった。

ミスの多い鹿島

両CBやスンテ、白崎の奮闘によって守備時は4-4のブロックである程度守れていたのに対し、鹿島の攻撃はほとんど機能しなかった。

特にレアンドロ、レオの軽微なミスの繰り返しは良くなかった。

チームが前掛かりになるタイミングでのボールロストが続き、ゲームの流れをみすみすジュビロに明け渡してしまった。

レアンドロとレオはノッている時はアンストッパブルな活躍や連携を見せてくれるが、この日のような出来の日もあるのが問題だ。

繰り返されるジュビロのファウル

また、鹿島の攻撃が停滞していた理由はレオとレアンドロのミスだけではない。

ジュビロによる(おそらく戦略的な)ファウルも鹿島にとっては厄介だった。

特にこの日は土居聖真が良い動きをしていたのだが、ジュビロのファウルの前に土居が作ろうとする流れが寸断されてしまった。ジュビロの鈴木秀人監督は、おそらくかなり土居聖真を警戒していた。

土居へのファウル覚悟のマークは厳しく、レオとレアンドロは軽微なミスを連発する。攻撃陣でいつものプレーを見せていたセルジーニョと白崎の2名だけで相手を打ち破るのは流石に難しい。

それが鹿島の攻撃が機能しなかった主要因だ。

警告を出さなかったレフェリー

また、この日の今村主審には苦言を呈したい。

土居へのジュビロのファウルは明らかに「DFの技術不足」がもたらしていたものであり、(技術的に優位だった)土居が削られ続けるのを放置しておくレフェリングはいただけない。

ジュビロの土居へのファウルは殆どが「土居の動きにDFがついていけてない」という内容であり、それによって繰り返されたファウルは警告の対象であるはずだ。

選手の怪我を未然に防ぐ意味でも、もっと成熟したレフェリングを期待したい。

ファウルでしか止められない土居聖真

土居はファウルで戦略的に止められてしまったわけだが、逆に言えばファウルでしか止められなかったとも言える。

鹿島の先制点(FK)は土居が受けたファウルがきっかけだった。

今年の土居聖真は、これまでとは違う次元に行きかけている。シーズン後半戦も鹿島のキーマンは間違いなく土居聖真になる。

鹿島を照らす小池の左足

最後に、コレに触れないわけにはいかないだろう。

ゲームを決めた小池の左足だ。

1点目は小池のFKから。2点目は左サイドを白崎と攻略し、信じられないスーパーゴールを見せてくれた。

広島戦の弾丸ミドル、北陸大戦の3点目のクロス、そして今節のスーパーゴールに左足でのFKと、3試合連続でその実力をいかんなく発揮してくれている。

また、スーパーゴールの影に隠れてしまっているが、左足でのサイドチェンジやクリアなどを見ても、小池の左足はボールの芯をきっちり捉えている事が多い。

身体は大きくないが、自分のパワーを上手くボールに伝えられている選手だ。鹿島にこのようなキックが出来る選手は、多くない。

MVP

小池裕太!なんと史上初の、ロニーが選ぶMVP3試合連続受賞!

これからも、その左足で何度もチームを救ってほしい。

 

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