さぁ決戦前夜だ。このコラムでは、私個人が気になって調べたデータ「1stLegで2点差をつけたチームが2戦合計で勝つ確率」について書きたい。予め断っておくが、これはあくまでデータでしかなく、まったく意味は無い。気になる方は読んでいただければ幸いだ。
1stLegを2点差で勝利したチームが2戦合計で勝利する確率
ACLのデータ(2010~2018)
1stLeg2点差の試合数 | 2戦合計で勝利した数 | 勝率 | |
2018年 | 3 | 3 | 100% |
2017年 | 3 | 1 | 33.3% |
2016年 | 2 | 2 | 100% |
2015年 | 2 | 2 | 100% |
2014年 | 2 | 1 | 50% |
2013年 | 4 | 4 | 100% |
2012年 | 2 | 2 | 100% |
2011年 | 2 | 2 | 100% |
2010年 | 1 | 1 | 100% |
合計 | 21 | 18 | 85.7% |
ACLのノックアウトステージを調べてみたところ、このような結果だった。1stLeg を2点差で勝利したチームは85.7%の確率で2戦合計の勝利を収めている。
Jリーグカップのデータ
1stLeg2点差の試合数 | 2戦合計で勝利した数 | 勝率 | |
2018年 | 0 | 0 | ー |
2017年 | 2 | 2 | 100% |
2016年 | 0 | 0 | ー |
2015年 | 1 | 1 | 100% |
2014年 | 3 | 3 | 100% |
2013年 | 2 | 2 | 100% |
2012年 | 1 | 1 | 100% |
2011年 | 4 | 3 | 75% |
2010年 | 0 | 0 | ー |
合計 | 13 | 12 | 92.3% |
Jリーグカップ(ルヴァンカップ)を調べてみたところ、92.3%だった。母数こそ違えど、1stLegを2点差で勝利したチームが2戦合計で勝利する確率はACLと近く9割前後となった。
過去のデータでは90%
今回、ACLとJリーグカップを調べてみたところ、第1戦を2点差で勝利したチームの2戦合計勝利率は90%前後となることが分かった。ヨーロッパになるとまた確率は変わってしまうのかもしれないが、少なくともアジア・日本においてはこれくらいの数値に落ち着くのかもしれない。
繰り返すが、このデータを信頼して明日の試合を考えるのは危険だ。鹿島は準決勝の水原戦で、たった8分の間に3点を奪われたことを忘れてはいけない。
2ndLegの戦略をシミュレーション
過去のデータはデータに過ぎず、今回の決勝を考える上での参考にはならない。もう少し建設的なシミュレーションをしたい。今回の決勝戦2ndLegで一番避けたいのは、「チームの意思がバラバラになること」だ。
仮にゴールを奪われた時に、攻撃に出るのか、我慢して引いて守るのか、その意思統一さえチーム全体で図れていれば鹿島がペルセポリスに負けることは無いと私は信じている。
試合開始序盤は攻めるべきか、守るべきか?
鹿島は試合開始序盤をどのように入るべきだろうか。おそらく大岩監督は1stLeg同様、セーフティな入り方をするだろう。コントロールが怪しいボールは迷わず前線に蹴りだす。試合序盤は相手のプレッシャーが速いことも予想され、ピッチのコンディションも日本ほど良くないだろう。試合が落ち着くまでは自陣ゴールからボールを遠ざけておくのが大岩監督のセオリーだ。
そうやって試合に入り、時間を進めていく中でゴールを奪えれば最高だ。このゲームにおける鹿島のゴールは、ペルセポリスには重くのしかかる。「最低2点で同点、3点で逆転」という条件から「絶対に4点を奪わなければいけない」に条件が変更されるからだ。
そういった意味で、鹿島の1点とペルセポリスの1点は重みが違うので、試合開始直後から奇襲をかけるというのも戦略としては面白いとは思う。確率は相当低いと思うが、もし大岩監督がその策を取ったら、私はニヤリとしてしまうだろう。私はそのような策を使う監督が好みだからだ。
例えば、例えばだが、いつもの4-4-2で入ると見せかけて、山本を左CB、西大伍を右ハーフ、土居をトップ下に配置する3-5-2で試合に入る。戦術的な対応力の高くない相手DFラインを困らせ、その隙にゲームの主導権を奪いたい。主導権を奪えれば、仮にゴールを奪えなくても時間を奪うことが出来る。奇襲は戦術的に対応力の低い相手には有効なケースが多い。前半45分丸々をポジションの修正に使わせることだって夢ではない。(あくまでこれは私の妄想の話なので無視されるのをオススメする)
1点を先制された場合は?
仮に1点を先制された時に、チームとして動揺するようなことがあってはならない。この試合で鹿島の迷いが出る確率が最も高いのは、先制点を奪われた場合だ。攻めに出るのか、引いて守るのか、普通に戦うのか。これは相手の出方や時間帯にもよるものなので何とも言えないが、1点を失うのが前半の早い時間であれば動揺せずに普通に試合を進めるのが良いだろう。前半の終わり頃であれば、ハーフタイムまで凌ぐ策を取るのが妥当だ。先制されるのが後半であれば、割り切ってボールを相手に譲って、代わりにカウンター用のスペースを支配するのが良い戦略かもしれない。
いずれにせよ、ピッチの選手たちに動揺が生まれないよう、あらかじめシミュレーションごとの意思統一を徹底しておいてほしい。それが大岩監督の仕事だ。また、キャプテンマークを巻くであろう昌子は、リーダーシップが強く求められる試合になるだろう。
25年の思いを乗せた90分に
鹿島の悲願まであと90分。いや、120分かもしれない。PK戦かもしれない。どんな苦境に立たされても、我々は選手を応援し続けよう。日本から声援は届かないかもしれないが、それでも声援を送ろう。
25年の思いを乗せ、ともに戦って勝利を掴もう。