君の幸せをずっと祈ってるよ~2021鹿島アントラーズ報告書【FWと移籍した選手編】~

さて、ようやく振り返るシリーズ最終章です。レネ監督の就任が発表されてもうみんな今年を振り返るモードじゃなくなってるかもしれませんが、一気に書き上げます。FWは数が少ないのでラクです。

タイトルを見ただけで一部のオタクさんはニヤついていることでしょう。タイトルの意味は最後の方まで読めば分かります。

まだ読んでない方はGK&DF編からどうぞ↓

2021鹿島アントラーズ報告書【GK&DF編】

FW編

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エヴェラウド

昨年にキャリアハイとなるリーグ戦18点決めた男が、今年はなんとリーグ戦1得点。
にわかには信じがたい結果になってしまったが、長めの離脱なんかもあったので彼自身大変なシーズンだったのだと思う。下手なことは言えない。
離脱から復帰した後は明らかにコンディションが落ちていて、そのまま復活することなくシーズンを終えてしまった。
エヴェラウドに関しては相馬さんがうんたらとか編成がうんたらとかいう話ではなく、彼個人のコンディションに尽きると思う。ゴールを奪えるようなコンディションに戻らなかったし、上田綺世を押しのけて試合に起用するような状態ではなかった。
気になる来年だが、鹿島としてはどう判断するのか気になるところ。コンディションさえ戻れば得点を取れる男なのは間違いないが、いかんせん今年の結果が厳しすぎた。
個人的な事を言うと「来年のエヴェラウドの復活に賭ける」というのは鹿島にとってあまり合理的ではないように思う。アラーノと違って若くもないし、「他の鹿島の選手たちとの連携が良くなったなぁ」と感じる場面も少ないので、よりそう感じてしまう。
ちなみにカイキはエヴェラウドの3分の1以下の出場時間で5点取ってる。去就に注目したい。

上田 綺世

今年の鹿島のエースストライカー。
リーグ戦は1753分出場で14得点。だいた125分に1点くらい取ってくれたので素晴らしい結果を出してくれた。
「どういう試合だと点を取れない」とか「こういう試合では固め取りする」とかが無くて、劣勢な試合でも1発ポンと決めてくれたり、押してる試合でも当たり前のように点を取ってくれたり、マリノスは必ず殺したり、とにかくフィニッシャーとして優秀だった。
私も多くの試合で「我慢してれば綺世が1点取ってくれるだろー」という信頼感を持って応援できていた。
鹿島のFWといえば大迫と比較したくなるのだが、個人的には大迫の鹿島最終年(2013年)と同じくらいの域には到達したなーという印象を持ってる。
違うのは、大迫は2013年がキャリアピークだったのに対して綺世はまだまだここから伸びそうなところ。綺世の方が不器用だけどパンチ力と決定力がある事も違うか。
彼自身があまりヒートアップするタイプではないので「やる気あるのかな?」と見られがちだけど、綺世くらいクレバーな方がストライカーは最後で良いところに動けると思うのでこのままのスタンスで頑張ってほしい。受け手の癖に合わせて動き出しのタイミングを変えるとか、本当に味方をよく見てる選手だと思う。
自分もまだ得点王になれる可能性があった状況で、10得点にリーチしたまま点が取れてなかった荒木にPKキッカーを譲ったシーンは印象的。綺世は常に「試合に勝つために必要な得点を取る」的な発言をしているので、本当に言葉に嘘がないんだなと思う。あのシーンは綺世が点取らなくても勝てたから譲った。負けてる状況だったら譲ってなかったんだろう。
個人の得点数とかタイトルとかはどうでも良くて、勝利に飢えてるから点を取るんだというのが伝わる。綺世がいるうちに絶対タイトル取りたいぜ。
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染野 唯月

私がとっても期待している染野。今年はうまく試合に絡めなかった。
後の祭りではあるが、エヴェラウドに託した出場時間のうちのいくつかを染野に託してほしかったなーというのが私の本音であった。特にリーグを取るのが難しくなってしまった後とか「今年が駄目でも鹿島の旅は続いていくんだから染野を出しなさいよ相馬さん」と実はずっと思ってた。監督の胆力って、そういうところだと思うぜ!
まぁ僅かな出場時間すら獲得できないのも染野の現在地なのでしょう。
彼もそれとなく大迫と比較したくなるような選手だが、同じ年齢の時の大迫よりも確実にシュートもパスもトラップも上手いと思う。ただ、「どういうプレーのイメージを持ってるのか」みたないのが味方に伝わりにくいタイプなのかなとは思う。もしかしたら染野はそこと怪我が多いのが一番のネックなのかもしれない。
個人的には最前線ではなくトップ下でのプレーを見てみたいので、荒木がもし海外移籍した際には染野に名乗りを上げてほしい。綺世と縦関係の2トップ組もうぜ。
組み立てに参加して、その後にゴール前にポジションを移して圧巻の技術でゴール決める。みたいなフィルミーノムーブは染野とカイキくらいしか出来ないと思う。レネ監督、染野の上手い使い方頼みます!彼、フィルミーノムーブできます!

途中で移籍した選手編

杉岡 大暉

杉岡は安西の加入と共に、競争のチャンスもなく湘南へレンタル移籍。

さすがにちょっと可哀想な処遇ではあったが、それでチームの成績は上向いたので強化部は正しい判断をしたのだと思う。

ザーゴも相馬さんも杉岡の起用法の最適解を見つける事は出来なかったし、外から見てても「杉岡はどう使うつもりで獲得したんだろ」というクエスチョンマークは去年から消えなかった。

おそらく、おそらくではあるが、満さんはザーゴのスタイルが「縦に速いハイプレスのレッドブル的なスタイル」だと思っていて、そこに杉岡はハマるっしょーという感じだったのではないかと推測できる。

蓋を開けてみればザーゴはボール保持を大切にしたかったので永戸を中心に起用した。

相馬さんのもとで出場した今年のゲームでは、ボールの逃げ場所や起点になってくれるはずのアウトサイドのレーンからワンタッチで斜めのボールを入れまくっていた印象。もちろん効果的に働くシーンもあったものの、そのプレーばかりでは継続的な起用は難しいだろうな……と思ってしまった。

来年はどうなるのでしょうか。鹿島が3バックやるなら欲しい人材ではあるけど、4バック継続だと難しいのかなとは思っている。3バックやればいいのに!

小泉 慶

小泉慶トップ下の「慶-BOX」。今年の鹿島の「Most Impressive System」と言って良いでしょう。

ボール保持を分かりやすく放棄し、地獄のようにボールを追い回し続けるスタイルは相馬さんが監督をやってる中で最もサポーターの心を掴んだ戦い方だったように思う。

小泉は「ボランチの猛者だらけのチーム」にいてもなお、ザーゴにも相馬さんにも必要とされていた稀有な選手。

彼の本職がどこなのか分からなくなるほどに色んなポジションを任されては、文句ひとつ言わずに「うす。どこでもやるっす。」と言わんばかりの献身性でチームに貢献してくれた。

本当に傭兵のような起用法ですまんなぁ。と私が小泉に謝りたくなるような鹿島での生活だったが、きっと彼自身も鹿島で上手くキャリアを再生させる事が出来たので、お互いに良い日々だったのではないだろうか。

ホームの鳥栖戦でカシマスタジアムに帰ってきた時には、チームメイトからの手荒い歓迎と、鹿島サポーターからの万雷の拍手が彼を待っていた。彼がピッチの上で見せたプレーの数々が、鹿島アントラーズのファンが大切にしてる精神性とどれだけマッチしていたか、それが分かった瞬間だと思う。

おそらく鹿島と小泉慶の道がこの先交わる事は無いだろうけど、素晴らしい日々だったよ。

「今だってもちろん好きだけど なぜだろう あの頃に戻れない。君の幸せをずっと祈ってるよ。ごめんねFingers crossed」と、指先をよく分からない形にして小泉慶へのお別れの言葉としたいと思います。

白崎 凌兵

小泉慶と時を同じくして鳥栖にレンタル移籍した白崎。

鹿島は2列目が異常なほどにダブついた編成で、聖真や和泉とも特徴が若干被りがちという、非常に難しい立場だった白崎。

実は相馬さんに変わった当初は結構先発していて白星にも貢献してくれていたけど、鳥栖にレンタル移籍後はもっともっと重宝されてピッチに立ってる時間も長かったので、白崎が好きな私としては非常に非常に渋い顔になってしまうレンタル移籍だった。

白崎はダブついた編成の犠牲になってしまった感は否めない。「監督上手く白崎使えよ!」とかいう次元の話ではない。これだけ2列目の選手いたら誰かは使えなくなっちゃうよね……。

惜しいのは、白崎の大好きな安西と再びコンビ組めるかと思いきや、その機会なく鳥栖に行ってしまった事だろうか。お互いに楽しみにしていただろうに、プロの世界は難しい。

さて来年だが、私は白崎のプレースタイルは大好きだし、もちろん鹿島で見たい。タッパがあってキックが上手くて賢いので緊急事態の時にも他のポジションに回しやすかったりする。色んな鹿島の選手が「シラくんはやりやすい」と口を揃えるように、ピッチに立つ人にしか分からない気の利くポイントもあるんだろうと思う。でもチーム事情としては難しいのだろうか。安西が待ってるよ。

 

 

終わりです!全3回お付き合いいただきありがとうございました!

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