LIXILの2ドルトイレの話

明日11/19は、世界トイレの日ということらしい。今回のコラムでは、鹿島アントラーズ創設以来、クラブオフィシャルスポンサーであるLIXILの「2ドルトイレ」の事業を紹介したい。

なお、私自身はLIXILと利害関係があるわけではない。このコラムを書いたところでLIXILから広告費を貰えるわけではないことを予めご理解いただきたい(笑)。鹿島アントラーズを25年間支えてくれている大切なスポンサーの、素晴らしい事業を純粋に紹介したい。

世界のトイレ問題

まず、世界のトイレ事情について調べたところを記載する。ユニセフの文章を引用させていただこう。

世界ではいまだ、3人にひとりがトイレを使えない現実があります。
トイレがない人たちは、バケツやビニール袋にうんちをしたり、屋外で排泄をしたりしているのです。

うんちには、病気を引き起こす細菌がたくさん含まれています。トイレがないところでは、
細菌たちがさまざまな所から体内に侵入。それらが原因で、免疫力の弱い子どもたちは下痢を発症し
1日に800人以上が、命を落としています。

(参照:世界トイレの日プロジェクト

日本ではどこにでも当たり前のようにあるトイレだが、世界を見渡すとそれは「当たり前」のレベルではない。人口ベースでは約23億人が衛生的なトイレの無い生活を送っているという。また、そのうち約8億9200万人が屋外で排泄をしている状況。また信じ難いことだが、これにより1日800人以上が命を落としているという。

日本では考えられないが、これが世界の現実だ。

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LIXILの「みんなにトイレをプロジェクト」

この事実に対し、鹿島のスポンサーであるLIXILはCSR(企業の社会的責任)の一環として「みんなにトイレをプロジェクト」と題して活動を行っている。具体的には、2ドルの開発途上国向け簡易式トイレ「SATO」をLIXILが開発し、トイレの無い途上国に寄付をする活動を行っている。

参照:みんなにトイレをプロジェクト

ホームページによると、2017年は208,805台のトイレがインド、バングラデシュ、タンザニア、ルワンダなどの緊急性の高い地域や人びとや学校に寄付されたという。そしてこのプロジェクト、実はあなたも既に参加しているかもしれない。

というのも、このプロジェクトは『LIXILの一体型シャワートイレ1台が購入されるたびに「SATO」1台を途上国に寄付する』というもので、LIXILのシャワートイレを購入した場合は購入者も社会貢献を行っていることになる。

トイレの購入を検討されている方は、こんなプロジェクトの存在も頭の片隅に入れて製品を選んでほしい。

LIXILの2ドルトイレ「SATO」

2ドルトイレ「SATO」はざっくり紹介すると以下のような製品だ。

  • 価格が2ドルのプラスチック製の簡易式トイレ
  • LIXILグループのアメリカンスタンダード ブランズが、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の助成を受けて開発
  • 汲み取り式トイレとして使用
  • 排泄物からの臭気や、病原菌を媒介するハエなどの虫の進入を防ぎ、病気の感染を低減
  • 米ビジネス誌「ファストカンパニー」が主催する第一回「世界を変えるアイデア賞」健康部門と世界を変えるアイデアの一般部門の2部門で入賞
  • これまでに15カ国へ180万個を販売
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SDGsとは?

LIXILの「みんなにトイレをプロジェクト」は、SDGsの活動の一つとして位置づけられる。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。2015年9月の国連サミットで採択された世界の目標だ。具体的には以下の17個の目標を指す。

LIXILの行っている「みんなにトイレをプロジェクト」は、6番目の項目「安全な水とトイレを世界中に」に当てはまる。

企業にとって必要不可欠な「社会貢献」

「社会貢献」は経済合理性を考えた時に非効率だ、と考える人もいるだろう。しかし、今日の世界的な企業の多くが「社会貢献」を意識している。CSRを行うことが、逆に経済合理性を高めるという側面もある。

具体的にはどのような事か。例えば鹿島のスポンサーであるナイキ社の1997年の不買運動などが有名だ。ナイキが生産を委託した東南アジアなどの工場で、児童労働が行われていたと批判を受け、アメリカでは不買運動にまで発展した。児童労働がナイキの工場で行われていたわけではないのが事実ではあるが、消費者へのマイナスイメージは大きく、当時はナイキの売上不振にもつながった。

企業は自社だけでなく、「発注先」や「取引先」の事情にまで意識を高める必要があるという例だ。「社会貢献活動を行っている企業と、そうでない企業」の製品が競合した時に、前者を選ぶ人が増えているというのが現在の社会。つまり、利益を内部留保するよりも社会貢献を行う方が結果的に経済合理性を高めることになる。企業の社会的な存在意義も高まるだろう。

なお、ナイキ社はこの件をきっかけにサスティナビリティ先端企業に変化を遂げることになった。サプライヤーの数を限定し、環境への影響・労働者の人権などを細かく監視しているという。

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終わりに

今回は、鹿島アントラーズの胸スポンサーであるLIXILの事業について記事にしてみた。私はこの活動は素晴らしいものだと思う。

我々の胸スポンサーを誇りに、これからも赤いユニフォームを着て戦っていこう。

 

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