2018年ACL準決勝2ndLeg、鹿島はセルジーニョの劇的な勝ち越しゴールでクラブ史上初のACL決勝進出を決めた。この試合で大活躍したのがセルジーニョ。
最近の彼の活躍を見て、ふと思った。この成績は近年の鹿島アントラーズの助っ人選手の中で最高レベルなのではないか?と。
夏にやってきたセルジーニョ
夏にブラジルから獲得した23歳のセルジーニョは、ジーコ推薦の選手ということで大きな期待を背負って鹿島にやってきた。10番を背負う金崎が移籍、ペドロも期限付き移籍、若きDFの要である植田も移籍と、4冠を目指すチームにとっては不安の多い移籍市場だった。
当然、サポーターとしては「ペドロ以上はマスト、出来れば金崎と同じレベル」の活躍を期待されていたわけだ。このハードルは相当高い。金崎は鹿島にタイトルをもたらしてくれた記憶に残るエースだったからだ。
しかし、蓋を開けてみたらどうだろう。夏のセルジーニョとスンヒョン(とジーコ)の加入後、むしろチームの勝率は上がった。確実なテクニックとクレバーなプレーは金崎には無かったもので、優磨との化学反応も良いものが見られた。なるほど、ジーコが推薦したというのも納得のプレーぶりを見せてくれている。守備も献身的に行う姿に感銘を受けたサポーターも多いだろう。
セルジーニョが残している結果
冒頭の「セルジーニョ、最高レベルの助っ人説」に戻ろう。10/26時点でのデータを確認してみたい。(※独自調査)
Jリーグ:8試合2得点(出場時間500分ちょうど)
ルヴァンカップ:4試合2得点(出場時間242分)
天皇杯:1試合0得点(出場時間76分)
ACL:4試合4得点(出場時間357分)
公式戦累計:17試合8得点(出場時間1175分)
このような結果だった。90分あたりのゴール数で換算すると「0.61点」。つまりセルジーニョは、出場時間換算では2試合に1点以上のペースで得点を奪っていることになる。試合数換算では1試合あたり「0.47点」。今回は、この「0.47点」をベースに、2000年以降の鹿島の外国籍選手と比較してみよう。
ペドロ・ジュニオール:36試合10ゴール。1試合あたり0.27点。
レアンドロ:31試合12ゴール。1試合あたり0.38点。
カイオ:100試合27ゴール。0.27点。
ダヴィ:91試合19ゴール。1試合あたり0.2点。
アレックス・ミネイロ:73試合33ゴール。0.45点。
マルキーニョス:164試合80ゴール。1試合あたり0.48点。
エウレル:46試合18ゴール。1試合あたり0.39点。
アレックス・ミネイロもかなり高確率でゴールを決めていたが、やはりマルキーニョスは別格の数字だ。だがセルジーニョは、数字だけ見れば最高の助っ人だったマルキーニョスとほぼ同じゴール率でゴールを決めている。
もちろんマルキーニョスは164試合・80ゴールという輝かしい記録なので比べられるものではないが、セルジーニョのゴール率の素晴らしさは分かっていただけるだろう。
しかもセルジーニョはPKを蹴っていない。
セルジーニョの今後
鹿島の歴代助っ人と比較することで、セルジーニョの決定力の高さを確認することが出来た。このまま鹿島で長く活躍を続け、マルキーニョスを超えるような数字を残してほしい。あの完成度で、あの落ち着きで、まだ彼は23歳だ。
その輝かしい鹿島でのキャリアの1歩目として、まずはACL制覇・天皇杯優勝だ。鹿島に来てくれたセルジーニョと共に、悲願を成し遂げよう。