白崎凌兵は、なぜ鹿島に欠かせない選手になれたのか?

今日はこんなテーマを。「白崎凌兵は、なぜ鹿島に欠かせない選手になれたのか?」。これは書かねばなぁと思っていたテーマだった。

ちなみに私は白崎が大好きだ。私がもし女性だったなら、鹿島の選手の中で1番白崎のビジュアルが好みだ(どうでもいい)。

彼氏にするなら絶対に白崎凌兵がいい(これもどうでもいい)。

さて、私の好みはどうでもいいとして、白崎について書いていこう。

白崎凌兵が鹿島にフィットした理由

今季新加入の白崎凌兵が鹿島にすんなりフィットした理由は何だろう?いくつかの要因に分解して書いていきたい。

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インテリジェンスの高さ

まず挙げられる要因は、白崎のインテリジェンスの高さだろう。

サッカーにおける「インテリジェンス」とは何なのか。

私は、「味方と敵を見て最善のプレーを選択すること」だと思っている。

セルジーニョがDFラインの裏を狙うならば自分は足元でボールを要求し、安西が大外でフリーになりそうな状況なら自分は囮となって中に絞る。

相手が白崎の足元を狙ってインターセプトをしてくるなら裏へボールを要求し、裏を警戒されるなら足元で貰う。

白崎のプレー選択のほとんどが「自分起点」ではなく「敵と味方次第」のように見える。

「自分が何をしたいか?」ではなく「今はどう動くのが有効か?」という視点だ。

だから、白崎のプレー選択が他の選手と被ることは少ない。

共鳴する土居聖真

そして白崎がフィット出来た理由は土居聖真の存在も大きい。

土居聖真も白崎と同じく、非常にインテリジェンスの冴える選手だ。

しかし、これまでは土居自身の「自分はどう動くのが有効か?」という意思決定が、「自己犠牲」と近い形になる事が多かった。土居聖真の得意なプレーと、土居聖真が(インテリジェンスの高さ故に)実行しなければいけないタスクの間に、乖離が発生していたような状況だ。

しかし白崎加入後、これまで土居が担っていた「こういう動きが有効」の一部を、白崎が担うようになった。

「今はここに位置取りをする選手が必要だよね」という場所に、白崎が入ってくれる事が多い。

すると土居の動きも解放される。土居聖真のプレーのバージョンアップは、白崎凌兵の起用によってもたらされた側面もある。

この2人の共鳴に安西のスピードと突破力を加えた鹿島の左サイドは、Jリーグ最強クラスと言って良いだろう。

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白崎凌兵の「はやさ」

白崎凌兵は、はやい選手だ。

白崎の「はやさ」は、「50m走が速い」とか、そういう話ではない。

「相手より目的地に到着するのがはやい」という「はやさ」だ。

例えばACLのGL最終節山東戦、伊藤翔の2ゴール目は「白崎凌兵のはやさ」が起点となったゴールだった。

図解してみよう。

まず↑が伊藤翔のゴールの2つ前の場面。白崎は対面の相手SBよりも前に出て、相手CBにプレスをかけにいった。

そしてそこからボールが鹿島陣地深くに運ばれたシーンが↓。

こんな感じだ。決してスプリントをしていたわけではないが、白崎は自分よりも自陣ゴール側にいた対面の相手SBを追い抜いて、「守備で埋めるべきポジション」まで戻ってきた。ここでボールを回収した白崎から鹿島の攻撃に移り、伊藤翔の2点目へとつながる。

この場面で白崎は「相手SBよりはやく」目的地に到着しているので、相手のSBよりも「はやい」ことになる。

ここでもしも相手SBの方が白崎よりも早くこの位置を取っていたら、伊藤翔の2点目は無かったし相手の攻撃も続いてしまっていただろう。

とても当たり前の事だが、サッカーというスポーツはこの繰り返しだ。

サッカーにおける「はやさ」は絶対的なスピードを必要とするわけではなく、基準は常に「相手より早く目的地にいるかどうか」になる。

白崎の走行距離がいつも他の選手よりも少しだけ長いのは、この動きを絶え間なく行っているからに他ならないだろう。

白崎の「インテリジェンス×はやさ」は、一見地味なプレーなので中々気付けないかもしれないが、チームへの貢献度はすこぶる高い。

技術の高さ

そして白崎の技術の高さも忘れてはならない。

シンプルなキックの技術、身体の使い方、身体の向き、視野の確保。それぞれを高水準で備えている。

「いるべき場所が分かって、相手より動き、技術が高い」。白崎が重宝される理由を簡単に書くとこういうことだ。

それに加えて、最後にもう一つだけ大切な視点がある。

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鹿島は個人の裁量が大きいチームであるということ

ご存知の通り、鹿島は横浜マリノスやコンサドーレ札幌、大分トリニータらと比べると、個人の裁量が大きなチームだ。

特に攻撃の面で「ここに動いたら、お前はこう動け」「ここには動くな」みたいなシステマチックな動きが要求されることは少ない。

逆に言えば、個人の裁量で、ある程度自由に動きを変えても良いチームとも言える。

自由を与えられた時に能力を発揮出来るのは、インテリジェンスの高い選手だ。「自分のプレーだけに集中する」「常に同じパターンで相手を攻略しようとする」という選手ではない。

相手を見て、味方を見て、最も効果的な場所に動く。このときに初めて「自由」は効力を発揮する。

これはサッカーだけじゃなく、ビジネスでも同じだろう。未熟な人に裁量の大きな仕事を任せる事は、組織として自滅に近い。賢いからこそ、自由を与えられて輝くのだ。

白崎はこの先、鹿島で何度もタイトルを取ってほしい。いや、一緒に取りに行こう。まずは手始めに、2019年のJリーグとACLからだ。

 

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