ブエノのアトレチコ・ミネイロへの期限付き移籍が基本合意したと、鹿島アントラーズから公式リリースが出た。
ご存知の通り私はブエノの大ファンなので非常に残念なのだが、この期限付き移籍に対して期待したい事などを書き留めておきたい。
ブエノが移籍するアトレチコ・ミネイロとは?
ブエノが移籍するアトレチコ・ミネイロは、2019年のブラジル・セリエAで13位。2018年は6位。2017年は9位。
そして監督はチリ代表やアルゼンチン代表、清武がいた頃のセビージャなどを指揮していたサンパオリ。サンパオリは今年からアトレチコ・ミネイロの監督に就任している。昨年は名門サントスの監督としてブラジル・セリエAで2位の結果を残した。
サンパオリは戦術マニアとしても知られており、セビージャ時代には元神戸監督のリージョをアシスタントに据えた体制でチームを指揮していた。GKやCBから攻撃的なゲームの組み立てをしていたチームは記憶に新しい。
ブエノは彼の下で、ブエノの弱みの1つであるビルドアップや攻撃の組み立てのスキルを磨いてほしい。
移籍期間はいつまで?
期限付きの移籍期間がいつまでなのか、はリリースにも詳しく記載されていない。
しかしブラジルリーグはJリーグと近い春秋制なので、「2020年シーズンまで」と考えるのが妥当だと思う。ちなみにブラジルリーグは開幕前の段階で延期になって、まだ2020シーズンが開幕していない。
ブエノ個人の事を考えるならば、シーズン途中ではなく、開幕前にチームに加入出来るのはポジティブな事だと思う。
ブエノがいなくなる事による不安
ブエノがいなくなる事による、鹿島アントラーズの不安はいくつかある。
私がすぐに思いついたのは以下の2点。
- CBの枚数不足
- 他チームの外国人FWへの対応
CBの枚数不足
鹿島はブエノがいなくなるとCBの本職が4枚(犬飼・奈良・町田・関川)になってしまう。
今年の夏の過密なスケジュールと怪我の可能性を加味すると、この4枚でシーズンを乗り切るのは難しい。
前回のブログでも書いたが、どうやらCBに杉岡大暉を起用するオプションが想定されているようだ。
▼前回のブログ
その想定であれば、CBの頭数という面でのブエノの期限付き移籍も理解しやすい。
左SBは永戸・山本・杉岡と、過多だった感はあったので、杉岡をSBとCBのマルチロールで起用出来るのはチームとしても助かるはずだ。
他チームへの外国人FWへの対応
ディエゴ・オリヴェイラ、オルンガ、ドウグラス、パトリックなど、Jリーグには強烈なフィジカルの特徴を持つFWを前線に置くチームが多い。
彼らに完勝出来るCBが日本人選手に少ないから、限られた原資の中でFWに投資をするのは有効な戦略なわけだ。CBとFWの質的優位はゲームに強いを及ぼすので、尚更だ。
鹿島は昨シーズン、フィジカルに優れたブエノを要所で起用する事で、なんとか上位を保った感がある。
ブエノは規格外のFWに対抗出来る、Jリーグでは数少ないDFなのだ。鹿島はそのブエノをレンタルとはいえ手放した。
そうなれば、タイプ的には奈良や関川に頑張ってもらわねばならない。
ザーゴの戦い方は高いラインを敷く事が多くなると思うので、規格外のFWたちとCBが真っ向勝負に晒される場面は少なくないだろう。
戦術上の、奈良や関川にかかる期待は必然的に大きくなった。
強化部の狙い
鹿島の強化部は、ブエノを手放すリスクと、若い町田や関川の成長を天秤にかけたのだと思う。その上で後者を取ったのではないかと私は感じている。
今年は町田・関川の飛躍の年にするという、そういう意思を感じた。
彼らのポテンシャルを信じているからこその、今回の決断とも言える。
また、ブエノの穴を埋める活躍を期待される奈良と杉岡への期待も大きいのだろう。
彼らの一層の奮起を期待したい所だ。
帰ってきたブエノはチート級に
ブラジルリーグでの初めてのプレーを終え、攻撃のセンスに磨きがかかったブエノはチート級になっているはずだ。いや、なってもらわないと困る。
今回の期限付き移籍が日本国内ではなく海外(しかもブラジル)だった事には少しだけ安心している。
ブエノが帰ってくる頃には鹿島がCB王国になっているような、そんな状態になっている事を期待したい。
それが現実になった時が、昌子源の幻影がサポーターの頭から完全に無くなる時かもしれない。