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関川郁万の奮闘と鹿島入団後の期待【高校サッカー選手権大会を終えて】

流通経済大学付属柏高等学校、背番号5番・関川郁万の高校サッカーが終わった。大会を通じて、素晴らしいプレーを見せてくれた。今回のブログは期待を込めて、関川郁万の奮闘と鹿島入団後の期待について記載したい。

関川郁万のヘディングの特異性

関川郁万は全国大会でも類まれな空中戦の強さを見せてくれた。

驚いたのは「スピード」だ。

関川のヘディングにはスピード感がある。その秘訣はおそらく「助走」にある。彼はヘディングに入る前の助走スピードがかなり速い。結果、身長は180センチながら、驚異的なジャンプの高さとヘディングの強さが生まれる。鋼のような上半身は空中でバランスを取るのに役に立っている。それと同じくらい、スピードを出せる下半身も強靭なのだろうと推測できる。

特にセットプレーにおいては、関川が助走をつけるスペースと時間を十分に確保できるため、その高さと威力が倍増している。特に今日の決勝の先制点のようなストレートボールであれば、滞空時間を確保しやすく、尚更タイミングは合わせやすい。

しかし、プロの試合では今日の決勝の先制点のようなストレートのボールをCKで蹴ることは難しいと思う。GKのレベルが上がれば、ストレート性で速度の遅いボールはDF側に簡単な処理になる。これからは「速く・曲がるボール」に合わせる技術が必要になってくるだろう。

また、「助走をつけてのヘディング」は無双のように見えたが、垂直跳びでのヘディングは少しレベルが落ちるのかな?とも思った。まぁまだ18歳なのでこれからどんどん伸びるだろう。

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類まれな運動能力

もう一つ、関川の特徴で驚いたのが運動能力の高さだ。

  1. 難しい体勢からでも遠くにボールを蹴る(クリアする)ことが出来る
  2. 体型からは想像できない敏捷な動き

特にこの2点が素晴らしかった。

1.難しい体勢からでも遠くにボールを蹴る(クリアする)ことが出来る

これはCBにとって重要な武器だと思う。日本人のCBは、「苦しい態勢から遠くにクリアする」というプレーが苦手な選手が多い。昌子も出来なかったし、現日本代表の吉田麻也も槙野も出来ない。「遠くにクリアする」というのは、相手の最終ラインを超えるようなボールを指す。多くのCBのクリアは、相手の最終ラインを超えない。最終ラインを超えなければ、味方の陣地を回復することは出来ない。相手に攻め入られている状況が継続される。

関川が「遠くにクリア」できるのは、持って生まれた骨格の太さなども影響しているのだろうと思う。身体に無理が効くのは才能だ。

2.体型からは想像できない敏捷な動き

空中だけでなく、敏捷な動きについても関川のストロングポイントだ。あの体格で、素早い動きが出来れば高校年代では無双だろう。

彼の「地上での動き」を見る限り、私はSBでの起用も視野に入れて良いのではないかと思った。空中戦が強いとはいえ身長が180cmであることを考えれば、「空中戦に強いが身長がやや低いCB」と「体格が良く空中戦に強いSB」という天秤になれば、後者の方が世界的に見ても希少価値は高い。

鹿島入団後は、おそらくCBとして育てられるのだろうとは思うが、SBという選択肢にもチャレンジさせてみてほしい。若い内はポジションに関係なく試合に絡んでいくことが重要だ。マルディーニもプジョルもセルヒオ・ラモスもSBでキャリアを積んでいる。

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鹿島入団後の期待

選手権でのプレーぶりを見る限り、鹿島アントラーズ入団後の関川には期待をせずにはいられない。昌子のようなアジリティの高さがあり、植田のような体格を持ち、秋田のようなヘディングゴールを決められる選手だ。

もしかすると、私が「SBもチャレンジしてほしい」と書いたのがバカバカしくなるくらい、CBとして圧倒的な存在感を持つ選手になるかもしれない。いや、むしろそれくらいの活躍をしてほしい。

高卒1年目の選手は活躍出来ないという決まり事なんか無いし、生ぬるいプレーをしているレギュラーの選手がいれば、遠慮せず紅白戦でブッ飛ばしてほしい。

鹿島は一つのサイクルが終わり、次のサイクルを作る時代に入った。関川郁万は、その新たなサイクルの象徴になるような選手になってほしいと思う。

 

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